ご利益のあるアンコールワット南門の守護神【ターピチ】

ターピチにお線香を上げている人たち

土を盛り上げて造られた人工の山の上に建つ壮大なアンコールワットには、正面・背面の参道があり、本殿へとまっすぐ続く門が東西南北にそれぞれ一つずつ設けられています。各門には、後に安置されたヒンドゥー教や仏教の神々の像があり、現在ではそれぞれがその門の守護神として崇拝されています。地元の人々は、これらの守護神を「ニャクター(土着の神)」と呼んでいます。

観光客や地元の人々の目によく触れるのは、西門に安置されている高さ約3メートルのビシュヌ神の像で、現在は「ターリアチ」と呼ばれています。ほぼ毎日、ストレスや悩みの解消、願いごとの成就を願って、この場所でお供え物を捧げたり、お線香を上げたりする人が絶えません。

ご利益があるとされるもう一体の土着の神は、南門に安置されており、「ターピチ」と名付けられています。ドクロを三重に巻いたナーガの台座に座る仏像で、近くに蟻塚が多数存在することから、「蟻塚から生まれた神」として信仰されています。ターピチは非常に恐ろしい神様とされており、その近くを飛んだ野鳥がすぐに死んでしまったり、妊娠中の女性は近づいてはならないと言い伝えられています。

フランス人のアンコールワット研究者ジョルジュ・トルヴェ(Georges Trouvé, 1902–1935)も、かつて何か悪いことをしてターピチ神の祟りに遭い、命を落としたという噂がよく語られています。

とても静かな場所なので、お祈りするのに丁度良いです。

アンコールワット本殿から徒歩で10分程で、お客様がご希望されたら、ご案内が可能です。

窓の保存状態が良い

アンコールワット南門

地面に落ちた彫刻

別のお祈りをする場所

アプサラ(天女)

飾り扉